ウィーン王宮ミサでウィーン少年合唱団を聴く
ウィーンといえば、世界遺産シェーンブルン宮殿、クリムト、音楽の都
とたくさんのイメージがあって、これでもかとその文化に浸って生活してきたけど
ふと思った。
もしかして、一般的にウィーンといえば
が最も有名なのではないか…?
そして、私
ウィーン少年合唱団の演奏聴いたことない…!!!
これは聴いとかなくちゃだわ。
日本帰って
「ウィーンに4年行ってたんですぅ」って言った時に
「へぇ!じゃあウィーン少年合唱団とか聴かれてたんですか?(^ ^)」
「あ、え、いや……その………モゴモゴ………」(dim.)
ってなるやつやん。
ブログをお読みいただいたきっかけのお友達が、ウィーン少年合唱団の追っかけさんで
夏にお会いした時にいっぱいお話を聞き
ミサ行ってみたーい(°▽°)と思ってたので
9月になってシーズンが始まると同時に行ってまいりました\(^o^)/
会場はHofburg 内の
Burgkapelleで行われます。
ミサは日曜日の9:15から開始。
チケットはネットなどで事前に買うことができます。
てかミサなのにお金いる時点で、完全に観光客向けイベントと化しているな……
しかし立ち見はなんと無料(°_°)当日の朝に並びます。
私は8:10ぐらいに到着したら、すでに日本人観光客が3組並んでた。
その後も、ここは日本か!?っていう勢いで日本人ばっかり並びに来た(笑)
8:30ぐらいから並んでも十分入れたなっていう印象。
あらかじめチケットを持ってる人たちは8:45ぐらいから入場でき
だいたい席が埋まってきた9時すぎ、立ち見の人たちが入場、平土間席の一番後ろにある立ち見スペースへ入ります。
こんな景色。
そしてミサ開始。
この日はシューベルトのミサ❤️
写真はないけど、祭壇で歌う男の人たちも少年合唱団のOBらしい。
少年合唱団は天井席で歌っているので、姿は見えません。が、美しい!まさに天使の歌声👼
途中、席を立って前へ出て、神父さんにお菓子のようなものをもらいに行ったり
長い棒の先にカゴのついたものが回ってきて、お布施のコインをいれたり
見よう見まねで立ったり座ったり(いや、私は立ち見やからずっと立ってるんだけどw)
全然ミサのお作法を知らないまま行ったけど
まぁ…なんとか…なります( ´∀`)
そりゃ厳密にはだめなんだろうけどね!
でも逆に、本当に現地の人しか参加してないミサだともっと行けないと思う……。
教会側もミサ体験アクティビティとして提供してくれてる感があるので
最低限のマナーを守って迷惑をかけなかったら全然大丈夫だと思う!旅行の方にこそ是非行って欲しいと思った(^_^)
1時間強のミサの後、天井席から少年たちが降りてきてくれて、一曲披露してくれます💕
とってものびのび歌ってくれて、これは本当に幸せになれる(*^o^*)
しかし、立ち見はかなり疲れた(T-T)
外に並ぶのも座れる場所はないし、入場した後は休憩できないままミサが始まるし、もちろん途中に休憩もないから
結果的に計2時間以上立ちっぱなし……
無理したくない人は座席を購入することを強くおすすめします。
終わって外に出て、私は真っ先にベンチに座ったわよ(爆)
ほどなくして、少年たちが出てきます✨
写真撮ってもらった♫
日本人団員がいたよ🇯🇵 誇り高い💕
少年といえど、背が高いな……
写真とか、囲まれたりするのは苦手な子もいるから
誰にでも声かけて無理やり応じてもらうのはやめとこって感じでした。
なんとなく後回し後回しにしてたけど、帰国前に行けてよかった✨
清々しい気持ちになれた朝でした☀️
アフガニスタン料理を食べる
ウィーンにいる間に楽しんでやってたのが
いろんな国の料理を食べる! でした🌎
ウィーンは昔からずっとインターナショナルな街で
いろんな国から来た文化が混じり合ってたことも芸術が栄えた大きな理由の一つ☝️
今でも外国人がめちゃくちゃ多いです。
その結果
インターナショナルレストランが多いし、ちゃんとその国の人が経営してるところが多い!✨
その国の言葉が飛び交う店内で、(多分)本場のちゃんとした味を楽しめるのはすごく楽しいのである❤️
イタリア、韓国中国、タイ、ベトナム、メキシコ、ジョージア、ブルガリア、等いろいろ行ったけど
この度、家の近所にあってずっと気になっていたのになかなか入れなかった
アフガニスタン料理レストラン🇦🇫へ!
いやーさすがに味も見た目も何もかも予想不可能……
でもまずね
「家の近所にアフガニスタン料理屋がある」
というシチュエーションが、よっぽどのことがない限りもうないからね!!!
行っとくしかないやろ!!!!!!
結構閉鎖的な外観のお店やったので、結構ドキドキしながらの入店やったのですが内装はキレイでひと安心🙂
アフガニスタン人と思われるエキゾチック美人な店員さんも、夫婦で来てる西洋人のお客さんもいるし、うんうん、大丈夫そうだ!
まずは飲み物から注文
………したいが、さっそく正解がわからん。
とりあえずメニューの一番上の
伝統的な塩入りヨーグルトドリンク
とドイツ語での説明書きがある、Dugh というものを一応検索してみると
う〜ん、若干こわいな…。ヨーグルトに塩コショウ、ミント………?
でも、これここで飲まんかったら、私生きてる間絶対飲むことないわ、つって注文。
常に一期一会、同じチャンスは二度とないと思え。
ごはんは、ランチメニューのお肉のやつにしました。
ほどなくして飲み物とスープが登場。
まずヨーグルトドリンク。
…………
……………………
あぁ〜。。。。。
飲むヨーグルトを想像して飲んだので、味が見つからん。ヨーグルト味ではあるけど、だいぶすっぱい。そして薄い。シャバシャバ。
美味しいか美味しくないかと訊かれると
美味しくなかったです。
スマン!
スープは、ちょっと油分が多いけど、変な特徴はない普通の味やった気がする。
何味やったんやろう……最後までわからんまま美味しく完食。
サラダバーもついていました。
なかなかお得なランチメニューだな。
メインプレート
ビーフシチューのようなものが出てきた!黒い見た目に反して、味もビーフシチューの感じでした。美味しい。
ただこれもちょっと油っこくて、ご飯と一緒にじゃないとなかなかしんどい節はある😅
という、私にとっては海外暮らしならではの体験でありました🍽 楽しかった!!
アフガニスタンといえば、中村哲医師が銃撃されたニュースが記憶に新しいけど……
美味しいご飯は人と人の心をつなぐのにな……心が痛いです(´・_・`)
WIEN1900 展 @Wien Leopoldmuseum
というわけで、日本で暮らし始めて早2ヶ月が過ぎたわけですが
今ではもうウィーンがとっても遠い所に感じて寂しい今日この頃。
できることなら戻りたいわ( ; ; )
寒さに耐えてクリスマスマーケットで飲むグリューワインが懐かしい( ; ; )
だけど、ありがたい事に日本でも少しずつ演奏の機会をいただいているので、泣いてる暇はありません。ガシガシ練習しなければ。
今日は帰国前に行った、大好きな大好きなレオポルト美術館の記事を❤️
もうMuseumsquartier が懐かしい( ; ; )←早速泣いてる
レオポルト美術館は、シーレやクリムトの膨大なコレクションが展示されてる美術館です。
世紀末ウィーン好きの聖地!
私もこれまでに幾度となく行ったけど、今回の、その名も【WIEN1900】展はなおさら良かったのである✨
まずはユーゲントシュティールの家具の展示
椅子の背にひっそりある装飾
当時のCafé Museum
画家ごとに部屋が分かれていてそれぞれの作品が展示されています
その中に
シェーンベルクさん登場…!!
作曲家として有名なシェーンベルクやんな???
新ウィーン楽派の十二音技法でおなじみのシェーンベルクやんな???
絵の一枚や二枚ぐらい描けても不思議はないけど
クリムトやシーレと並んで一部屋持てるぐらいなの!?
……とおそるおそる鑑賞………
上手いがな!!!!!!!
えーーー普通に画家じゃん!!!!!!!!!!
そうか…シェーンベルクはウィーンでは画家扱いなのか……え、すごくない???
衝撃の事実に大興奮でした。
シェーンベルク作の ツェムリンスキー
ちょっと悪意ある…?笑
写真だと写りきってないけど、なんとも味のある暗い作品だった
シェーンベルク作のトランプ💕
これ商品化したらいいのに(((o(*゚▽゚*)o)))
私なら買う!
この絵も大好き
シェーンベルク作の ココシュカの思い出
せいきまつぅぅぅ〜って感じ(*´◒`*)
ちなみにココシュカさんの画風は
こんな
なんですがね。笑
ちょっともうシェーンベルクのコレクションにテンションが上がりすぎて満腹やったんですが
次へ進むわよ!
シーレのお部屋へ!
この絵についてのお話を聞くウィーンのティーンエイジャーたち……日本じゃありえないフリーな教育よな……
この絵もとても気に入った!
今まで見たことあるんかな?
あってもおかしくないけど、今回初めて琴線に触れたのでした。
これは何回も記事にも載せたことある、前からずっと好きなやつ。
これも恐らく初めて琴線に触れた、幸せな男女のはずなのにそこはかとなく暗い絵(好き)
これは普通に幸せなやつ。自画像と恋人のヴァリーちゃん。
古い家シリーズ
その後クリムトの部屋へ
確か火事で燃えてしまったからレプリカやと思うけど
ゼセッシオンの展覧会のポスターシリーズ
モーザーのゼセッシオンポスター
どこか椎名林檎を思わせるおしゃれモダンなデザインが好き❤️
こちらも、おっ!と目を引いたサロメの絵
実はこの8日後に、国立歌劇場で初めてサロメ聴くのですが
それはそれはもう、魂が震える感動体験をしまして、、、サロメが一番好きなオペラになってしまったぐらい!😭😭😭😭😭
そんなこと、この写真を撮った時には知る由もなかったのに、ちゃんと絵に反応してたとは
今となっては不思議な偶然だなぁ。
この二枚はベートーヴェンの田園を表現した作品だそうで
壁一面やったので、全くアングルに収まりきってないけど
世紀末ウィーンの主な芸術家達集合の展示
ふつうに、ツェムリンスキー氏が登場するウィーン……すごいよ………
アルマも、芸術家の一員としてしっかり登場してました
展示室にある機械で聴ける音楽もベルクとか。
そしてこんな曲知らんし……爆
全然音楽に関連した展覧会ではないのに
音楽家たちがひょっこり出てくるの、すこぶる感動なんやけど…………感涙
それだけこの時代の芸術家たちは、ジャンルの垣根を超えて交流し、お互いに影響しあってたってことやね。
ゼセッシオン設立メンバー❤️
………に混じる嬉しそうすぎる私
あ〜まだまだ伝えきれてないよ〜〜〜
実は、途中でランチの約束のため、早足で見て一度退館したんやけど
あまりの充実っぷりに心残り爆発で、再入場したほど🤣
(特に何の手続きもせずに退館したけど、その日のチケットの半券を見せたらあっさり再入場できました❤️)
ウィーンモダンの展示をここまで堪能できるのは、世界中でこのレオポルト美術館しかないよ!!!
大満足でしたヽ(〃v〃)ノ
〜〜お知らせ〜〜
ブログではきちんとお知らせしていなかったのですが……
ウィーンでの学生生活を終え、この秋より日本での活動を主にしております🇯🇵
「てことは、すったもんだ日記帳は終わってしまうの!?」
とのお声を嬉しいことにいっぱいいただいた(´;ω;`)❤️
……んですが
終わりません!!!!!
終わるわけありません!!!!!!
@Wien ではなくなってしまうけど
日本での音楽生活、演奏会情報、留学の経験談、思い出、などなど
ガンガン更新していくつもりでおりますので
皆様ぜひぜひ引き続きお読みいただけますと幸いですm(_ _)m
小説家になりたかったぐらい文章を書くのが好きで
幼い頃から誰よりも長い作文を、学校で居残りしてまで書き続けていた私にとって
このすったもんだ日記帳に好きなことを好きなだけ書き綴れるのは本当に楽しいことやし
書いてみて初めて、自分と向き合ったり、頭の整理ができたりと、心のメンテナンスになっていることにも気づいた✨
もちろん思い出記録としても、めっちゃくちゃ役に立ってるし✨
私にとってこのブログは宝です\(^o^)/
なかなかまとまった時間がとれなくて、書きたいことはそれはもう山ほどあるのに、全く消化できず、私自身ヤキモキしてるねんけど
・留学生活を終えて感じてることをいーっぱい
・帰国前に行ったところ大量レポート(美術館とかごはんとかコンサートとか)
・完全帰国時の手続きとか引っ越しの話
・ウィーンでの最後の日の過ごし方
・ウィーンで買ってきたおすすめのお土産
などなどが今後記事になる予定ですので、お楽しみに(笑)
どれも重量級記事なので、手をつけるのに気合いが必要……( ;∀;)
まだまだウィーンでのネタが続きます。
ちなみにツイッターの方が更新率高め!
フォロー大歓迎です♫
ショパンと今やらなあかんプログラムの反動?でベートーヴェン欲がムラムラ!
— 原 由莉子 🎹 Yuriko HARA (@yuriko_hara_pf) 2019年12月15日
気合い入れて使えそうなソナタを二曲ぐらい新しいものやるぞ。
今の原には何番がいいと思いますか???
(と訊いておきながら、私の中ではもう4択ぐらいになっているけど)
これからも、すったもんだ日記帳と原 由莉子を
どうぞよろしくお願いいたします(*^_^*)
ショパン奏了!ありがとうございました
あんなに告知しまくっておいて、演奏会後なんの更新もしないまま、二週間も時が経ってしまいました(;ω;)ごめんなさい!!
去る11月30日、神戸フィルハーモニック第79回定期演奏会が無事に終了いたしました。
700名ものお客様にお聴きいただくことができました。
本番ギリギリまで試行錯誤と調整を重ね、クールな頭とアツいハートで、演奏することができました。
大きな舞台であればあるほど集中力が冴え渡って、緊張とは無縁の精神状態になれて没頭できる✨
ピンと張り詰めたスタインウェイのピアノの音を、オケの皆さんも私もお客さんもみんなで耳を澄まして聴いている感覚が何度も訪れ
すごく素敵な音楽の時間を会場全体で共有することができたのではないかと思います。
お客様から嬉しいお言葉もたくさん頂戴し、感慨無量です……!
(のにブログほったらかしててほんまにダメダメ!!_:(´ཀ`」 ∠): )
実はウィーンにいるとショパンに取り組む機会が少なく
私もこの四年間、エチュードを除いてはかなりショパンから遠ざかっていました……。
そんな中いただいた今回の「ショパンの一番をお願いします。」のお話。
オケとコンチェルトをすること自体が悲願だったので、そんなん即OK💕💕💕やったけど
あとで冷静になってみると
ショパン・・・?私が・・・・?
友達に話しても
「原がショパン?予想がつかん。」
「曲は自分で選んだの?」←めっちゃ言われたwww
「せめてシューマンとかが良かったよね。」
と、自他ともに【しっくりこない感】満載(爆)(爆)(爆)
アシスタントの先生のクリストフには
ク「今までに弾いたことあるん?」
原「ない。完璧サラ。今から読む。」
ク「ふーん。三楽章やばいでwww」
と言われ
ヒンターフーバー先生は
原「コンチェルトやることんなった!」
ヒ「お〜!!!!ブラームス!?(*⁰▿⁰*)」
原「ショパン……」
ヒ「………。」
さらに続けて……
ヒ「ユン◯ィ・リが何年か前にソウルのでっかいホール…日本でいうサントリーホールみたいなところで弾いた時に途中で止まってしまって、演奏中断してもっかい頭からやり直したんよ。それで韓国人激怒、ユン◯ィ、韓国のマスコミに謝罪。それ以降彼のキャリアも落ちていったよね。
…………っていうのがショパンの一番(笑)」
原「………な、なんでそんなこと言うんよ〜〜〜!!!!!😂😂😂😂😂」
と、謎の脅しまで受けて
ほんまに私ショパン弾くんか???
と、戦々恐々やった夏。゚(゚´ω`゚)゚。
スケジュールの都合上、先生たちのレッスンは受けないまま帰国して本番やったし
自分がこの曲を弾いてる姿が全然イメージできないまま、しかも夏のコンクールではプーランクやらブラームスやらばかり弾いておりましたwwショパンから遠いよwwww
でも、プロモーション記事で書いたように
ワルシャワのショパン博物館でショパンの存在を肌で感じられたことや
曲がウィーンものに近い作品だったこと
なによりも、留学してできるようになった楽譜の読み方やハーモニーの感覚で久しぶりにショパンを勉強したら
今までのショパンに対してのイメージがガラッと変わって
勉強するのが楽しくて仕方なかった!
珍しく(←)ストレスフリーな準備期間でした✨
自分がしっかりと勉強したことのある手に入った作品や、自分が好きな曲を弾かせてもらうのももちろん嬉しいけど
自分ではしない選曲の作品を弾いて、レパートリーを増やして世界を広げていくことの方が
今の私にとっては結果的にすごくすごくすごく良かった❤️
ショパンのソロ作品も久しぶりにがっつり勉強したくなったし、ピアニストにとってこの上ない喜び♫
そんな今やから言える裏話もありつつ
今は達成感でいっぱい☆☆☆……かと思いきや
終わった瞬間からもう次にやりたいことがわんさか湧いてきてて
頭と体が飽和状態(*^ω^*)
物理的に一人では演奏できないコンチェルト。
これからも、作曲家が遺してくれた素晴らしい宝物を、たくさんの皆様と共に演奏し、たくさんのお客様にお聴きいただきたいです🌼
お越しいただいた皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!!
ショパンピアノ協奏曲第一番 曲目解説
またまたプロモーション記事です。
他に書くことないんか!?ってね。
ないんです!!!すみません!!!
というのも、あともう少しなんやもん(´;ω;`)
ショパン協奏曲を演奏させていただく神戸フィルさんの定期演奏会が、いよいよ今週の土曜日となっております!
これまでのPR記事はこちら
ワルシャワ旅行
兵庫でショパン展
今日は、自分が演奏する曲については毎回、お客様にアツクルシク喋るoderアツクルシク書かないと気が済まない私の独断と偏見による、コンチェルトのプログラムノートを綴りたいと思います。
もはや弾くことより書くことの方に熱が入っている!?
皆様どうぞお付き合いくださいませ。
まず、作曲家ショパンとこのコンチェルトの基本情報☆
ポーランドはワルシャワで生まれ育ち、パリへと移ってピアニスト・作曲家としての名声を得たショパン。
ポーランドを出た後は死ぬまで一度も祖国に戻ることはありませんでしたが、作品に散りばめられたポーランドの民謡や民族舞踊のエッセンスからは、ショパンの並々ならぬ祖国愛を感じます。
ピアノ協奏曲第1番は、ショパンがポーランドを旅立つ直前(20歳!)に書かれた作品。
一楽章のピアノソロが入る前の4分近くあるオケの序奏は、ポーランドを背負って国を発とうとするショパンの勇姿、また祖国を離れる名残惜しさと重なります。
ロマンスと名付けられた二楽章は、まるでうっとりするようなノクターン。
ショパンが友人に送った手紙によるとこの楽章は
「静かで、憂いがちな、それでいて懐かしいさまざまな思い出を呼び起こすようなある場所を、心を込めてじっと見つめているようなイメージ。美しい春の夜の、月光を浴びながら瞑想するようなものでもある。」
そうです。
ちょうどそのころショパンは燃えるような初恋中で
先に書かれた2番のコンチェルトの二楽章は彼女のことを想って書いたものだし
1番の二楽章もそういう性格のものといっていいと思います。
三楽章は、ポーランドの民族舞踊、クラコヴィアク!
二拍子の踊りです。
実はショパンは二曲のピアノ協奏曲の前に、「演奏会用ロンド『クラコヴィアク』」っていうピアノと管弦楽のための作品を書いてて、、、
全然演奏される機会がないから(なんで?)私もこの度初めてYouTubeで聴いてみたんやけど
それがもう、1番の三楽章に激似なのである。
この冒頭のヨナ抜き音階の旋律、三楽章のアレコレやってひと段落するあそことまるで一緒\(^o^)/
ちなみに、アレコレやってひと段落するあそこのことを、私は「『男はつらいよ』のとこ」と呼んでるんやけど(笑)
日本人の魂に沁み渡るメロディーですよね〜(*´∀`)♪
とまぁそんなわけで、この時のショパンはクラコヴィアクが好きやったわけで
ショパンの気持ちを代弁するようにウキウキ弾きたい♡
・・・・・というのが最低限お伝えしておきたい解説の土台。
それに加えて!私が今回意識するのは
この曲の中の、ショパンらしさ、というより
ウィーンらしさ(・∀・)
ここぞとばかり、ウィーン帰りを推す(笑)
ショパンはワルシャワを出るまで、ユセフ・エルスナーという先生から作曲の手ほどきを受けていたのだけど
この人はもともとドイツ人の血筋で、ウィーン派に属する音楽家。
当時のウィーン音楽界の大スター、フンメルがやってきます。
演奏にも作曲にも大感銘を受けたショパンは、進んでフンメルと面識を持ちました。
この頃の音楽界は、古典派の時代が終わり、代わりにツェルニーやフンメルによる、今までよりももっと演奏の技巧を華やかに発揮させるようなスタイルが流行中。
内面的な表現を深める作品というよりは
外面的でピアニスティック・ヴィルトゥオーゾなきらびやかなものをアピールする音楽が聴衆にウケておりました。
そんな時代に、19歳のショパンは演奏旅行でウィーンへ行き
ピアニストとして華やかにデビュー。演奏旅行は大成功。
そして一度ワルシャワに戻ってからこのコンチェルトを書き
完成直後、音楽家としての成功を夢見て
20歳のショパンはウィーンへ旅立つのです!
2回目のウィーンでは上手く音楽活動ができず、政治的なゴタゴタもあって
そのままパリへ行った後、死ぬまで一度もワルシャワには帰れなかったんやけどね。。。
ウィーンでのショパンのおうちは
この王宮が見えるコールマルクトの通りにあります。
建物に掲げられた【ショパンが住んでいたよ】プレート
結局何が言いたいかと言うと、このコンチェルトは
「ウィーン派のドイツ人の先生についていて、フンメルを尊敬していたショパンが
ウィーンでの演奏会成功と、次のウィーン行きの間に書いた」
のです。
言ってもまだ10代の男の子。 作曲する上での意識はきっと師や当時の流行スタイルの影響も大きいでしょう。
そしてこの曲に限らず、私が作品を勉強する上で常々意識しているのが、、、
現代の私たちは、歴史を未来から見られるけど
作曲家本人はまだ未来のことは知らない
ということ。
つまり、このコンチェルトを書いた若者ショパンは
今でこそいわゆる「ショパンらしい」と言われる、繊細でどこか翳りのあるような作品をまだ作っていないし
彼の創作人生に大きな影響を与えた彼女・ジョルジュサンドとはまだ出会ってすらいないし
自分があと20年で死ぬことだってまだ知らないのです。
だから、勝手に私たちが「ショパンらしい」と決めたイメージをこの頃の作品に塗りつけず
ウィーン・ドイツ系の形式美や骨太さ
そして、ショパンがウィーンでの大成功で得た自信、これから世界へ羽ばたいていくのだという野心が溢れる、瑞々しくってイキイキした方向で作りたい。
ノクターンとかはすでに書き始めてるから
ただ技巧的なことを見せつけるだけでは、残念ながらショパンにはならない。
そのへんのバランスをいい感じにとれたらいいなぁと思っています(*^_^*)
きちんと楽譜通りに弾けば、いい塩梅になるように書かれてると思うし!
本番振っていただく朝比奈さん・オケとのリハーサルもして、ますます本番が楽しみになってきました♫
私はショパンのことばっかり宣伝してますが
オープニングのエグモント、メインのドヴォ8も
皆さん気合いのリハーサルをなさっております!!!
神戸フィルハーモニック 第79回定期演奏会
2019年11月30日(土) 14:00開演
神戸文化ホール 大ホール
ベートーヴェン: エグモント序曲 作品84
入場料
一般:3,000円 (前売り2,500円)
大学生以下:1,000円
まだまだお席ございますので
皆様お誘い合わせの上、是非是非お越しください(^ ^)
ショパン展 @兵庫県立美術館
先日のワルシャワ記事にて、絶対いくー!と豪語していた、ショパンー200年の肖像ー展へ
行ってまいりましたー♫
会場は兵庫県立美術館
めっちゃ行きにくかった←
JR で行ったんやけど、まず最寄りのJR灘駅が各駅しか停まらんし
灘駅からもなかなかええ運動になったヽ(;▽;)ノ
とどうしようもないことに文句をたれつつも
感想を!
入場するとまずずらっと並ぶ版画。
ポーランドの画家、ヴワディスワフ・ヤールさんによる【14のオリジナルエッチング連作版画集】で
それぞれの作品はショパンの楽曲からインスピレーションを得て作られています。
写真撮影禁止なのでご紹介できないのがすごくざんねん……
バラ4とか幻想曲とか、ピアコン一番を表現した絵もあって
ほぉ〜!(*⁰▿⁰*) ってなったんやけど
この作品、ネットで調べても全然情報出てこないのよ。なんで?
こんなに純粋にショパンを表した画集があるってことも今まで全く知らんかったし。
演奏するときのイメージの作り方のヒントになりそうやから、もっかい見たーい!!!(ToT)
ショパン本人は、自分の曲にストーリー性を持たせたり、交響詩みたいにタイトルをつけることを嫌ったらしいけど
やっぱりショパンの曲は何かしらのドラマや情景を思い浮かべさせてくれるよな。
そのせいか、作品も絵本の挿絵のようなファンタジーな世界🌈
他にも、24の前奏曲の各曲を題材にしたローベルト・シュピースの版画集など
後世の画家がショパンをリスペクトして創作した作品がいっぱい展示されておりました。
有名な、ドラクロワによる、ショパンと恋人ジョルジュサンドの肖像画のコピーも。
私は、確か…マヤという人が描いた、水彩漫画タッチのショパンとサンドの絵が
すごーく可愛くて気に入ったヽ(〃v〃)ノ
次は、当時のワルシャワとパリの様子や、ショパンを取り巻く人達の絵などの展示。
今回の展覧会のメイン、アリ・シェフェールのショパンの肖像も日本初公開でした。
サロンに出入りするショパンのいつメン(笑)が描いた肖像画なので
友達やからこそショパンの性格や雰囲気が滲み出る作品になってるのではないかと!
てか、ショパン、友達多そうよね。
ベートーヴェンとかモーツァルトを筆頭に、クラシック作曲家はだいたい変人エピソードばっかり語られるけど
ショパンはコミュニケーション能力が高くて
基本的に、ずっと仲間たちに囲まれていて生きた人じゃないかなぁっていう印象をすごく受けました(^ ^)
日本でどうやってショパンが広まっていったかなどの展示をはさみ………←面白かった
そのあとは、お待ちかねの!!!!!
ショパンの自筆の手紙と楽譜!!!!(;o;)✨✨✨
エチュード10-8の楽譜でした。
今まで、自筆譜を見た時に感じることって、例えば
「わーこれがショパンの字かー!!!」
「見やすい楽譜!キレイー!!!」
「ここ書き直したんやー!!!」
みたいなことやったんやけど
今はショパンとかなりまじめに向き合ってるからかな、
印刷された楽譜では見逃してしまうようなことも「ちゃんとショパンはこだわって書いてるんや( ˙-˙ )」ってところにすごく目がいった。
ペダルの指示、アクセントを書く位置、アクセントの長さ、などなど…
ひとつひとつの指示があまりにも生々しく、ショパンの確固たる意志として目に飛び込んでくるのでその意味の大きさがわかる。
あぁ…もっともっともっとちゃんと楽譜を見てあげよう……(´-`).。oO
最後に、ショパンコンクールについての展示とピアノの森コーナーがあっておしまい!
か〜なりゆっくり見たので、まる2時間もかかった!!!
でも、私の知ってる「ショパンの世界」がずいぶん広がった気がします(*^ω^*)
個人的に感激した点
でも実は一時ウィーンに住んだこともあるのです!
ウィーンのショパンが住んでた家にもちゃんと行ってきたわよ\(^o^)/
そして手紙によると、ショパンはウィーンのことをなかなか気に入っていたらしいことをこの度知り嬉しい(*^^*)
このことは、近日中に別記事に書きまーす
・ショパン国際ピアノコンクールに日本人で初めて出場したピアニストの名が原さん。(笑)
これも地味にかなり嬉しい。
原智恵子さんというピアニストです。
・お客さんがいっぱいいた。
これが他の何よりも今回の展覧会で私が一番感動したことよ!!
平日のお昼に行ったにもかかわらず
「絶対オンダイセイ(^-^)」
っていう子はもちろんのこと
「絶対音大生じゃない」って子もいたし
年配のご夫婦、若者カップル、おじさんお一人、お友達同士マダムなど
とにかく大盛況やった!!!!!!
こんなにたくさんの老若男女が今この場所でショパンについて考えている……!!!!!
ってことが感動よ(ToT)✨✨✨!!
斜陽産業と謳われてるクラシックもまだまだ捨てたもんじゃない!!!
ショパンのために (こんなに来にくい←)美術館にわざわざ来てるじゃない!!!!
嗚呼!!!!
ここにいる全ての人に、11/30のショパンのコンチェルトのチラシを配りたい!!!!!!
…………………
という衝動に駆られたけど、さすがにそれは我慢しまして(爆)
でも、間違いなく、今この場所が日本で一番、ショパン欲が高い。←?
…というわけで。
原「あのすみません…来週、神戸でショパンのコンチェルトをやる演奏会がございまして……」
美術館の人「は、はぁ…」
原「チラシを置かせていただくことってできますでしょうか……!」
と無茶振りなお願いをしてみた!ヽ(;▽;)ノ
ら!!!!
美「主宰者に確認しますので、許可がでましたらどうぞ送ってください(^ ^)」
と優しすぎるお返事をいただきました(´;ω;`)💓
そして翌日さっそくOKのメールをいただいたので
こちらのチラシを設置していただきます\(^o^)/
ショパン展が24日(日)までなので、最後の週末となるこの数日はきっとさらにお客さんも多いはず!
たくさんの方の目にとまって
「わぁ、来週ショパンやるやん✨しかも神戸✨行こう✨」ってなるといいなぁ(*^_^*)
もしお出かけになる方がいらっしゃいましたら
チラシも探してみてください😘
私はもう見られへんけど_(:3 」∠)_
そして来週土曜日は、神戸文化ホールへどうぞお運びください!!!!!
先日、指揮の朝比奈千足さんとの打ち合わせも行い
もうすぐ始まるオケ合わせが楽しみで仕方がない今日この頃(((o(*゚▽゚*)o)))
この、「あー早く弾きたい」の気持ちをあと一週間保つことが、今最大の課題です(笑)
まじでやばい(笑)