すったもんだ日記帳 Yuriko Hara’s Blog

Pianist 原 由莉子 のmusikalischな日々

ベートーヴェン物語 第二話 曲目解説①

リモート朗読劇『ベートーヴェン物語』の第一話から早くも2ヶ月がたち、この度第二話を更新しました😃👏👏

 

【【【 https://youtu.be/xWmmE9QLER0 】】】

 

 

今回のテーマはずばり、【ハイリゲンシュタットの遺書】。

 

 

ウィーンでの活動が軌道に乗り始めた矢先に降りかかった、自身の耳が聴こえなくなっていくという恐怖と戦いながらも

作曲で自己実現を叶えようとしたベートーヴェンの精神力と芸術を究める想いを描いたお話になっております。

 

今回私が台本製作したんですけど

もうね、ハイリゲンシュタットの遺書は、涙無しには読めなかった( ;∀;)

 

 

ベートーヴェンが苦しんでいた20代後半というとちょうど今の私と同じような年頃ということもあって

「もし今ピアノが弾けなくなったら……」と想像してみただけでその場で発狂してしそうなった……😱

そんな苦しみの中音楽活動できるほど人間できてないわ😱

 

 

でも、この時期にベートーヴェンが生み出した作品、特にピアノソナタのジャンルは

あまりにも素晴らしいのです……

名曲揃いすぎて、どれを選ぼうか本当に迷った!!

 

 

 

 

 

 

というわけで、今回のBGMはピアノソナタ縛りになりました\(^o^)/

 

 

それではいってみよう!独断と偏見による曲目解説!٩( 'ω' )و

 

 

 

 

1.ピアノソナタ 第7番 Op.10-3より第一楽章

 

7番のソナタというと、なぜか「大学入試曲のソナタ」の印象が強くて、めっちゃくちゃ苦手でした(爆) 高校生達が揃って血走った目で弾いてるイメージが勝手にあります(爆)

 

 

ちなみに、私はハタチ頃までベートーヴェンがそれはそれはもう大嫌いで(第九以外)

高校の試験で古典派ソナタが課題の時でさえ、クラスでただ一人ハイドンを選んだぐらい、なんとかしてベートーヴェンを避けて生きてきたので

今になってみると、ソナタ、とりわけ前期のレパートリーが非常に少ない😂ソナタ集一巻、めっちゃキレイやもん😂

 

だからこのベートーヴェン物語企画や、春の古典派ソナタ全曲演奏プロジェクトのおかげで、初期の作品にもちょこちょこ手をつけることができて本当に勉強になった…とはいえ

まだ全然消化しきれてない。まだベートーヴェンが何をしたかったんだかわけわからん。

 

しぼってきちんと時間を作って勉強せなあかんです。

 

 

それはさておき、第二話の一曲目、何を弾こうか?と考えた時に

豪華なオープニング感とコミカルなストーリーに合わせた疾走感、どちらも持ち合わせた曲という観点でこの7番をセレクトしました(^^)

 

 

これはさ、ほんっっっとに独断と偏見で、なんの根拠もないんやけど

この曲

 

 

フィガロの結婚の序曲

に似てない?(・∀・)

 

 

同じD-Durってとこが大きいとは思うけど

 

どちらもピアノで、かたや「レドレドレッ」、もう一方は「レードシラドレッ」から上ってって

そのあとsubitoフォルテでバーンとワンフレーズでカデンツする感じ

作り方すごく似てると思うのよ(・∀・)

 

 

真偽のほどはわからんけど、いずれにせよこのソナタ、他の楽章も含めて規模と内容がすげーデカい作品なので

それこそこれから始まる壮大なオペラの幕開け……のような序曲感が

一楽章の出だしで表現されているような気がします✨

 

ちなみに私は三楽章が大好き💓

立派で充実の一楽章(長い!)、悲しみの淵に沈むアリアのような二楽章(長い!!)のあとにやってくる

のびのびした牧歌的で平和なメヌエットに、ほっとする☺️

 

と考えると、この曲、楽章構成はシンフォニーのよう✨

堂々としたボリュームあるソナタです!

 

 

 

 

2.ピアノソナタ第12番Op.26「葬送」より第一楽章

 

 

32曲あるベートーヴェンピアノソナタの、中期作品への始まりにあたるこのソナタ

前期作品は、いかに古典的な形式を拡大・発展できるか、という楽想だったけど

中期からは、伝統から離れてさらに自由になろうとするベートーヴェンの考えが見受けられる。

 

まずこの12番、なんと4つの楽章にひとつもソナタ形式がないのです。ソナタ形式じゃないソナタ……おぉ、新しい………

 

 

一楽章は変奏曲。

これまでのソナタの「第一楽章は堂々としたキャラクター」という概念がガラリと打ち破られた

叙情的な性格の大変美しい曲です(;ω;)❤️

 

変奏曲というジャンルとしてこの曲を見た時にも、この作品はなかなか新しいんじゃないかと思った。

 

というのも、テーマからして作りがかなり複雑。

 

変奏曲のテーマって、そのあと変奏しやすいようにできるだけシンプルに書くのが普通やし、テーマがシンプルであるほど、その後の華やかなアレンジテクニックを見せびらかしやすいと思うんやけど

このテーマはポリフォニックで音が多い。

 

弦楽四重奏、いや五重奏で奏でられる分厚さがすでにあるのです。

「これこのあとどうやって発展させるの!?」っていう重厚さ。

逆に、音を削っていくという方法で変奏させてるのかも。

 

ベートーヴェンが若い時にやっていた「技巧見せつけ即興的な変奏曲」ではなく、より芸術的な高みを目指したものになっていて

作曲家ベートーヴェンの成長を感じて嬉しい(;ω;)❤️←誰

 

 

三楽章には、タイトルにもなっている葬送行進曲が登場。完全に「ソナタ」の域をはみ出している作品です……

 

 

続く13番、14番は「幻想」二部作やし、このあたりのソナタはクラシックの歴史においてほんとに革命的な時代よなぁ。

 

 

でもさ!!!今気づいたけど

変奏曲と行進曲がでてくるソナタといえば

モーツァルトトルコ行進曲付きもそうやねぇ( ゚д゚)⚡️⚡️⚡️

 

…………だから何って話ですが。

意識したのかなぁ??してないわけないよねぇ???

 

 

 

 

ちなみに!今回のお話の中にでてくる、作曲に夢中なベートーヴェンが、公爵を外で待たせるという逸話。

その公爵、実はカール・フォン・リヒノフスキさんという人なんやけど

ふと楽譜を見るとこの12番のソナタと悲愴の献呈者だった!/(^o^)\

 

めっちゃ失礼なことされてるけど、こんな素敵な曲もらえたら許しちゃうね🥺笑

 

 

 

 

今回の曲目解説は、前回に増して解説になってないし、独断と偏見が過ぎますが

長くなったので後半へ続く!

 

 

 

 

ベートーヴェン物語第一話についての記事はこちら☆

 

klavier888y.hatenadiary.com

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