すったもんだ日記帳 Yuriko Hara’s Blog

Pianist 原 由莉子 のmusikalischな日々

11月の記録 後半

11月21日 ティータイムコンサート

@泉の森ホール

 

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ピリオド楽器コンサート翌日は、泉佐野市にてコンサート!

 

こちらも発売後即売り切れとなってしまった公演だったので

「皆様からの期待値ハイ!!」でこちらもワクワクでした(*^◯^*)

 

 

この日は珍しく、客席のほとんどが女性!!!

 

いや〜それだけでいつもの空気と全然違ってびっくりしました。

女性客の前で弾くって、こんな感じなのか〜。

なんか、お行儀がいい。笑

(決していつものお行儀が悪いと言ってるわけではないよ😆)

 

バッハ:イタリア協奏曲

ベートーヴェン:悲愴 二楽章

       トルコ行進曲の主題による6つの変奏曲

       ピアノソナタ第24番テレーゼ

 

ショパン:バラード第1番

 

を弾いたんやけど

テレーゼやバラ1を弾いてる時の、空気の華やぎ方がすごかった!

女子ウケを感じた!!!!

 

あと、トルコ行進曲の前に「徹底解説コーナー」というレクチャーコーナーを設けて

トルコ行進曲の由来やリズムの話

「各変奏が一体何をやってるのか?ベートーヴェンは何をしたかったのか?」を部分的に弾きながらガチアナリーゼしてお話しする企画をしました(≧∀≦)

 

こういうのずっとやってみたかったから念願叶って嬉しい❤️

関ジャムを毎週のように観てたのが役に立ったわ。(?)

 

 

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11月22日のイイフウフの日にちなんで

プログラムには載せず、青春の輝きと糸も演奏した♫

 

 

これはセットのケーキとドリンク☕️

私も終演後にいただいた❤️

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ほっこりした時間を皆さんと過ごせた😚

楽しかったです!

 

 

 

 

11月28日 ベートーヴェンの軌跡〜作品から読み解く楽聖の人生

@岸和田市立自泉会館

 

 

11月のコンサートラッシュ、トリを飾るのは

地元・岸和田でのリサイタルでした。

 

これまでに何度も演奏の機会を与えてくださっている岸和田文化事業協会さんには本当に感謝です🙇‍♀️

 

ベートーヴェンで何かやってください」とのリクエストで、ピアノでとなると

やっぱりベートーヴェンの時代ごとの作品を取り上げていくのが一番よなぁ〜となり

 

悲愴op.13 (前期)

トルコ行進曲op.76 (中期)

テレーゼop.78  (中期)

そして、ピアノソナタ第32番op.111 (後期)

 

をお送りしました。

ベートーヴェンが生涯どの時期においてもピアノ曲、特にピアノソナタを作り続けてくれてたおかげで

ピアノ曲を辿ると、自ずとベートーヴェンの人生が見えるわけです。

 

前期、中期、後期と順番に聴いていただくことで

それぞれの時代の作品の特徴・違いをかなり明確におわかりいただけたかと思います⭐️

 

そして、このコンサートについて書かずにはいられないのは、やっぱりベートーヴェン最後のピアノソナタ111について。

 

今回いろんな方から「若いうちから111弾くなんてすごいね」(訳:よくやるね)(?)と言われたのですが

 

私は「いや〜オバさんになったからといって急に上手に111が弾けるようになるとは思えん……むしろ体力的に今しか弾けない可能性だってあるぞ………」という感覚だった(笑)

 

「111を弾くこと」自体がメイン・最終目的にならないように……あくまでも「作品」を聴いてもらうことが第一目的になるように気をつけていました。

 

 

そうは言っても、やっぱり作品の存在はデカかった!!!!!

 

生半可な気持ちでは本当の意味で弾けるようにならない曲〜😇

かなり精神的に強くいないと、お客さんも弾いてる本人も「これは一体なんの時間…?」ってなってしまう🤣特になが〜い二楽章が……。

 

まとめないといけないけど、でもあんまりきれいに整理整頓してしまってもこの曲の不思議さや神秘性が失われてしまうし

 

う〜ん!たしかに「若いうちから111弾くなんて」って言われるはずやわこりゃ😅

 

 

だけど、準備期間は本当に充実の時間でした。

耳の聞こえないベートーヴェンがどんな音を聴いていたのか・頭の中にどんな響きが鳴っていたのか……

時間も国も飛び越えて、今ここで再現したい、表現したい、近づきたい………

そんな気持ちで真摯に向き合えた。

 

 

本番もいい集中力で演奏することができました。

 

1楽章と2楽章の間の、この世から人がいなくなってしまったのかのような信じられないような静寂は……今思い出しても鳥肌が立つ………

 

後で録音を聴いたら、ミスもあるし、まだまだ直したいところだらけやったんやけども😂

濃密な時間や呼吸をお客さんと共有できたあの感覚は、生のコンサートでしか味わうことのできない貴重な体験やったと思います。

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何よりもこの日一番嬉しかったのが!!!

 

よく演奏会に来てくださる、でもクラシックに関しては初心者のお客さんからの

 

「最後のソナタを聴いて、ベートーヴェンはきっと優しい人やったんやろうなと思いました。」

 

というご感想。これはもうほんまに涙が出そうなぐらい嬉しかった。

こんなことを言っていただけただけで、この日頑張ってピアノ弾いた意味があったな、と。

 

「ハイ今日はこういう曲を聴きました」だけでは終わらず、もう一歩先の何かを感じておうちに帰っていただける…それこそが芸術の本質でありコンサートの醍醐味やもんね☺️

 

 

でもそれってなかなか演奏者が狙ってできるもんではないからかなり難しいこと。しかも練習してしまっているから、誰よりも演奏者が「上手い」とか「下手」とかに囚われてしまいがち。

そういう邪念は捨てて、本番はとにかくお客さんに何かを感じてもらうことが一番。忘れないようにしよう。

 

 

 

 

 

室内楽、コンチェルト、ソロと全てやり切った、まじで充実した9・10・11月でした。

帰国してから一年経たない間に、しかもこのコロナ禍にも関わらず

「原に弾かせてやろう」「原を聴いてやろう」と思ってくれる方がこんなにたくさんいらっしゃることが本当に嬉しく、なんならまだ信じられない😂

 

 

身の回りに起こることの全てが成長のチャンスだと思って

これからも一つ一つの本番を丁寧に頑張っていきます🥰

 

関わってくれた皆さま全てに、最大限の感謝を💕