すったもんだ日記帳 Yuriko Hara’s Blog

Pianist 原 由莉子 のmusikalischな日々

ヨンパッパ

京都シンフォニカ定期演奏会にて、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番イ長調K.488

弾かせていただきました♫

 

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お世話になった皆様、こんな状況にも関わらず聴きに来てくださったお客様、本当にありがとうございました。

 

今回は、いつも応援してくださるお客さまはもちろんのこと(ありがとうございます!)

ちょっとイレギュラーな方もたくさん聴きに来てくださいました。

 

高校の時の友達や、ずっとSNS上でのやりとりはしていたもののこの度初めて聴きに来ていただけた方、

一度合唱団の打ち上げに潜入(笑)した時にご一緒した方、バーのマスター、そこのバーでたまたま知り合ったおじちゃん方、5?6年前に楽器の合宿でご一緒した方…などなど!!

 

後からご連絡をいただいて「えー!来てくれてたの!?」となる方がたくさんいて

感染防止対策のため直接お会いすることが叶わなかったのがさみしかったです(T-T)

早く前の世界に戻って欲しいなぁ…

 

 

 

何度も言うけど、このコンチェルトもほんとに、ほんっっっっとに、大好きな曲🥺❤️

 

 

高校生の時、唯一知っている「ぴあのこんちぇると」がこの23番で

当時業界の方に出会うと、手当たり次第に「私にモーツァルト23番をどうにかして弾かせてくださ〜い❤️」と、出演交渉(!?)しておりました。

どうにかって何やねん!!恐るべしJKパワー!!!!!

 

 

さすがにその営業活動は、今回のお仕事とは一切の関係はありませんが(笑)

 

 

 

それにしても、茂木さんとの降って沸いたような共演、さらに降って沸いたような23番。

 

向こう見ずなJKパワーはもう持ち合わせてないので、最近はすっかり

「こんなに素晴らしい曲を私が弾くことによってぶち壊すのが怖い!!もうずっと聴いてるだけでいい!!!」という、触れてはいけない神のような存在にまで昇格していた曲を、いきなり弾かされることになってしまったミラクル。(前向きなんだか後ろ向きなんだかわからねえ)

 

絶対にいい演奏にしたくて、時間は少なかったけど出来るだけ丁寧に練習を重ねました。

 

 

この曲、すごくキレイで心から幸せなんやけど、その幸せは【永遠には続かないとわかっている幸せ】みたいな儚さ・非現実的感を残したくて

その雰囲気をどうやったら作れるのか悩む日々。

 

私は演奏する時に感情的なことやストーリーを考えないんやけど

今回に限っては何故か「聴いてる人にこういう(言語化できないけど)気持ちになってもらいたい」というアプローチが大きかったのが自分にとってもすごく新鮮だった。

 

 

そして、モーツァルトをどこまでロマンチックに振るか?の絶妙なバランスにもこだわり抜いた😭

これはもう指揮者やオケ関係なく、全てはピアノに委ねられるし😭

 

あまりにまっすぐ弾くのもこの曲らしくないけど、ロマンチックすぎるとすさまじくセンスが悪くなる……そのいい塩梅を最後の最後まで探究しまくりました😭

 

 

 

そんなんで家では修行僧か哲学者のように作品と対峙していたけど

オケとのリハーサルは毎回楽しくて仕方がなかったです!

 

ピアニスト1人では多分一生わからないような、現場でしか知り得ない事がたくさん学べ、その場その場でどんどん曲への理解が深まり、自分の経験値が高まるのがひしひしとわかる感覚。本当に大好き。

 

どうやらエキサイトしていたらしく、後から茂木さんやオケの方から「あんなに言いたいことを言うソリストはあんまりいません」と言われる始末(爆)すみません(爆)そこまで言ってるつもりもなかった(爆)

 

 

 

でもそれは、みなさんの「いい演奏にしたい」という私と同じ気持ちが伝わってきたからこそ、遠慮せずにいろんなリクエストをお願いできたのでした♡

もしも「早く練習終わりたい」のオーラが蔓延していたらさすがに何も言えないわよ!

 

 

リハを重ねるごとにどんどんアンサンブルの精度が上がるのも楽しかったです♡

 

 

 

 

と、こんな風にみんなで一緒に全身全霊で取り組んだコンチェルトだったので

今オケの皆さん(特に木管)はありがたいことに、ピアコンロスだそうです。笑

 

 

私も珍しく(?)、もっと弾いてたかったなぁ〜という気持ちが大きい……。

 

 

でも、それがこの曲なんやろうなぁ。

終わりがあるからこそ美しい世界。

あの時だけ夢の中にいたんだな、っていう作品。

 

一瞬で過ぎ去ってしまった儚くて切ない時間を

皆さんと共有できて幸せです💗

 

 

あーでもまたやりたい!!!あの刹那的な瞬間のために、ハートも音色もアンサンブルも

いっぱいいろんなことを考えたい!!!!

 

 

「どうにかして弾かせてくださ〜い❤️」

 

 

 

 

 

おまけ

 

このコンチェルト、作品番号がK.488から

ギョーカイヨーゴで「ヨンパッパ」と呼ばれるらしい。初めて知った……。

 

 

ヨンパッパ!?語感が楽しい!!使いてぇーーー言いてぇーーーーーー!!!

 

と一瞬思ったものの

 

曲調が「ヨンパッパ」じゃなさすぎて、というかそれこそ、ヨンパッパ☆パッパラパー☆な演奏にしないよう努めていたので

多分これから先もあんまり使えません……。