すったもんだ日記帳 Yuriko Hara’s Blog

Pianist 原 由莉子 のmusikalischな日々

サロメ

いつの話よ!?ってツッコミたくなるぐらい時が経ってるけど

ウィーンにいる時に観てきたオペラ、リヒャルトシュトラウスの【サロメ】の感想を。

 

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結論から言いますと

 

私史上、最高に魂が揺さぶられたオペラやった(T_T)❤️

 

ウィーン生活で最後に観たオペラが、マイソウルオペラになるなんて(T_T)

もう5ヶ月近く前になるけど、今思い出してもハートがぎゅううううんとなる。大好き。

 

 

あらすじをめちゃ簡単に話すと

 

登場人物

 

サロメ👸 16才。姫。

 

ヘロデ王 サロメの義父。自分の兄(サロメの実父)である前王を殺して現在王になった。

 

ロディアス サロメの実母。今はヘロデの妻。

 

カナーン 盲目の預言者。地下に閉じ込められてる。

 

 

兄から王の座を奪い、兄の妻も奪ったヘロデ王。それだけでは飽き足らず、娘になったサロメのことをやらしい目で見ています。

しょっぱなからなんというクズ設定!!

 

そんなある日サロメは、地下牢に閉じ込められている預言者カナーンの声を聞き、一目惚れならぬ一耳惚れ。

サロメは、牢屋の見張り番が自分のことを好きなことを利用してヨカナーンを地上に出してもらい

誘惑するけど、ヨカナーンは見向きもしない。

チヤホヤされることに慣れていたサロメちゃんは、プライドズタズタ。

 

そして、クズキング・ヘロデ王は宴会の場でサロメに、エロい踊りを命じます。

はじめは嫌がってたサロメちゃんですが、王が「踊ったら欲しいものなんでもあげる」と言うので

「ほんまやな?言うたで!?」となり

【七つのヴェールの踊り】(一枚ずつ脱いでいく)を舞います。

 

 

王「よーし、ええぞぉ!お前の欲しいものはなんだ?」

サロメ「ヨカナーンの首が欲しい!」

 

 

ワー/(^o^)\

 

 

王「い、いや……おま……さすがにそれは……首って…………」

サロメ「首!首!くびがほしい!!!!」

 

 

サロメがあまりに言うことを聞かないので、仕方なくヨカナーンの首を切り落とすことを命令する王。

 

お望みのヨカナーンの生首を手にし、うっとりと愛を歌いあげるサロメちゃん。最後は生首にキス。

 

その様子を見て怖くなった王が一言、「あの女も殺せ!!!」

 

 

………というお話です。

 

 

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

めちゃくちゃ好き(´;ω;`)❤️

えー!!!!!!!!

 

 

 

この、非道徳的で狂気的な世界観、まさに、世紀末ウィーン芸術って感じがします。

 

 

 

まず、自分の欲しいものはなにがなんでも手に入れたくて、せっせと自分の色気を武器にしてものにしていく、サロメちゃんのキャラクターがとても印象的なんよ。

 

これは、このオペラが生まれた頃に生きていたアルマ・マーラーの姿にもすごくすごく重なる。

 

この時代、少しずつ女性が自由になってきたこともあって

サロメやアルマのような、自分に自信がきちんとあって自分の足で歩けるオンナ像ってのが世紀末ウィーン時代の象徴の一つとして

確立されているのかもしれないな。

 

 

はじめにヨカナーンにこっぴどくフラれる時も

「なんで私がフラれるの!?」という高飛車具合。

 

生首になってからのアリアでは

「あなたの目が見えていたなら、私を好きになってたのにね!」

と言う始末。

 

男はみんな自分を好きになると信じて疑わない美しい16才が

好きになった男の心だけは唯一手に入れられず

こんなことは初めてで計算外で面食らって、悲しくて悔しいけど

そんなの認めたくない、自分の価値は落としたくないという!

このモヤモヤ!!!!

 

生きたままのヨカナーンの心は手に入れられなかったし、また傷つくのも嫌。

手っ取り早く(?)首だけにすれば、ヨカナーンは自分だけのものになるし、自分が満足できるまで愛すことができる。

 

 

う〜ん、サイコパス(^ ^)

 

 

「熟れた果物に齧り付くように、あなたの唇に噛み付いてやるわ」

 

「苦い……これは血の味?恋の味?……どっちだっていいわ、私はあなたにキスできたのよ!!!」

 

こんなテキストもツボすぎる。

比喩がいちいち雰囲気あるというか……

もちろん歌詞はドイツ語なんやけど、日本語にしてもなかなかよね。

 

中二病っぽくて大好き。

 

 

 

七つのヴェールを踊る時のサロメの心情も、想像するとざわざわします。

愛のために自分の清さを捨てるというその矛盾……

 

 

そしてこの病み病み狂気ストーリーにまとわりついてくるリヒャルトシュトラウスの音楽がまたたまらんのですわ(T_T)

 

濃厚で官能的、なのに伸びやかなオーケストレーション、あぁ、グッッッとくる。

リヒャルトは、お話や心情に沿う音楽を作ることに関しては天才やと個人的に思う…!

 

 

 

 

最後のオペラ座だったので、写真もいっぱい撮ったよ(;o;)

 

 

今シーズンより、当日券立ち見が10ユーロに値上げしました(泣)3〜4ユーロからの値上げですよ(泣)ウィーン国立歌劇場の歴史が(泣)

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ここで素晴らしい音楽体験を何度も何度も。
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ありがとうリヒャルトシュトラウス
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ケルントナーの近くにタピオカ屋さんができまして!

しかもとても美味しいのでこの日も飲んだ(笑)

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終演後、充実感と疲労感でいっぱいの体で見る夜のOperが大好きやったなぁ
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あぁ、ここに住んでたことがすでに幻みたい……(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

でも、街の空気や香りや音が体の感覚として鮮明に蘇ってきた……

 

またあんな音楽体験したいなァァァァ

 

 

 

なにはともあれ、また大好きなものに出会えたことが嬉しい!

 

 

これからは、好きなオペラはなんですか?と訊かれたら

サロメ!」

と答えますヽ(〃v〃)ノ