ウィーン世紀末シリーズ 〜アルマの愛した芸術家たち〜
そして2月7日は
原 由莉子ウィーン世紀末シリーズと銘打った第一回目の企画、アルマの愛した芸術家たち をお送りしました。
ウィーンにいた最後の一年、日本でできる原らしい活動はないのかな、、、と思い悩んだ結果
ウィーン帰りを売りにしてるピアニストがモーツァルトやシューベルト、ベートーヴェン を弾くのも素敵なんやけど
それに加えて私は私らしく
大好きな1900年前後の音楽だけじゃないウィーンの芸術を、大好きな日本語で日本のお客さんに伝えたい……!
ウィーン後期ロマン派のピアノレパートリーで誰も弾かないようなプログラムを弾きたい……!
そしてこれは、ウィーンではできなくて日本でやからできることや、と気付き
これを自分のライフワークとする覚悟を胸に帰国してきました。
ウィーンモダンと呼ばれる美術作品って、ウィーンにいたらすごく身近(なんてったって街の建物がすでに作品やし)やったのに
日本ではやっぱりそこまで有名ではなくて
その時代の美術といえば、やっぱりフランスを中心に栄えた、印象派の方へ行ってしまう。
ピアノ曲も同じで、ブラームスのようなロマン派の次の時代といえば
フランスのドビュッシーやラヴェル、ロシアものスペインもの、になってしまって
ドイツオーストリアのピアノ作品はほぼ弾かれることはない。
あったとしても、十二音技法に特化したものがほとんどで、これまでの後期ロマン派の流れを継いできた作品は、完全に埋もれています。
だからそのへんをね!!!私はあえてほじくっていきたい!!!!
今回は、アルマ・マーラーの恋愛遍歴を辿るレクチャーで
初恋の人 グスタフ・クリムト
次の恋人 ツェムリンスキー(作曲の先生だった)
旦那 グスタフ・マーラー
死別後の恋人 オスカー・ココシュカ
の作品をメインに、いっぱい紹介&解説しまくりました。
↑オットーワーグナーの建てた「アム・シュタインホーフ教会」の解説中
あまりにも、分離派の解説に力を入れすぎて
「美術館の学芸員みたいやった」とのご感想もちらほらヽ(;▽;)ノすごく嬉しい(笑)
一応← きちんとピアノも弾きましたよ。
ツェムリンスキー アルバムのページ
マーラー アダージェット(ピアノソロ版)
シェーンベルク 作品33a
ベルク ピアノソナタ
を演奏しました。
今回弾いた中では、圧倒的にツェムリンスキーが作曲上手やと思った。
ツェムリンスキーのピアノ曲、素晴らしい。ピアニストにとって、手にも和声にも無理がないというか、バランスがいいというか、なんか、質が高い……!!!(語彙力)
このプログラムの中で唯一の有名曲(!?!?)であるベルクは、聴くのも好きやったけど、実際弾いてみるとより一層好きになりました。
すごく魂と共鳴する、心を込めずにはいられない、大事な曲になった!
その分今回は渦巻く感情だけで弾いてしまったので、バッハのような声部の弾き分けを、さらに丁寧に丁寧に勉強したいです(^ ^)
と、さわやかなことばかり書いてるけど
実際は結構しんどい準備期間だったのでした、、、
演奏の方はもちろんのこと、アルマの日記や手紙、自伝を読んで夜な夜な勉強し、パワーポイント作成と台本作りにもかなりの時間をかけたんやけど
アルマの文章に宿っている魂・言霊のような【気】があまりにも強いのか
この時代全体に蔓延っている一種の狂気、気怠さ、絶望感、みたいなものがめちゃくちゃ私の中に流れ込んできて
正直、精神的にカナリやられた。。。。
ある場所にいくとそこの空気や心霊的なものでしんどくなる人っているじゃないですか。
あれの、文章版、、、なんかな?
あの時はほんまに元気がなくなってしまったけど
終わった今となっては、あんなに一つのテーマに没頭してその時代の空気に入り込めてたことすら嬉しいです。
なのでまたやってしまうんやろうな……ドMだから………
当日のお衣装は、当時の芸術品として流行っていて、意識の高い女性たちが着ていた【改良服】と呼ばれるお洋服をイメージしました❤️
クリムトやエミーリエも着てるやつね
自分の趣味嗜好にこだわりまくった企画やったけど
びっくりするぐらいたくさんのお客様にお越しいただき、しかもご好評もいただいたので
忘れられないうちに早くシリーズ第二回を企画しなくては!!!
いくつかアイデアはあるんやけど
どれをいつやるか、だな。
自分の予定をたてるのが病的に苦手なのでいつもギリギリ族ですが
頑張って決めて、早く皆さんにお知らせできるようにします( ;∀;)
ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
今後とも 原由莉子ウィーン世紀末シリーズ をよろしくお願いいたします!