リスト ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲〜
リサイタルの演奏曲について
プログラムノートに書ききれない&当日のトークで喋り尽くせない、作品への愛を語る企画
今日はリストのダンテを読んでです。
その名の通り、リストがイタリアの詩人・ダンテの抒情詩【神曲】を読み
インスピレーションを受けて作曲した曲。
ピアニストからすると、リストは「ラ・カンパネラみたいな、華やかで難しいピアノ曲をいっぱい書いた人」っていうイメージが強いんやけど
クラシック史におけるリストの偉業とは
交響詩 を生み出した人なのよね。
リストよりも昔の人たち、ハイドン、ベートーヴェン、シューベルトなどの時代は
オーケストラの曲を作る時、形式美やお約束を守ることの優先順位が高く
それは交響曲と呼ばれるんやけど
リストは、お約束に縛られるよりも
感情やストーリー性、情景などをストレートに表したオーケストラ曲を書いた、それが交響詩!
なので、このピアノ曲【ダンテを読んで】も
神曲のストーリーをぴったり描写しています。
というわけで
こりゃ、神曲を読まねばいい演奏はできん!
と思い、図書館に行ったものの
当然イタリア語では読めるわけもないし
邦訳でも難解すぎて、日本語やのに全くもって意味不明(~_~;)
うーーーむ、困った、、、どうしたものか、、、
と思いあぐねていた私の目に飛び込んできたのが!!!
ジャーーーーーン!!!!!
いやぁ〜wwww
よくもまぁこんなに世の中のニーズに応えてくれるものがwwww
タイトルからおもろい。表紙の絵からおもろい。
基本的に、文体をやさしくしただけのちゃんとした神曲なんやけど
時々急に筆者の阿刀田さんがでてきて
「この後主人公が〜〜についてあれやこれやと語るシーンがあるが、我々には難解すぎるので先へ進もう」
とか言って思いっきり割愛してくれたり
現代の日本人には?????な、例えばギリシャ神話を元ネタにしたセリフとかも
ちゃんと解説してくれたり
「このくだりはよくわからない。が、つまり、トンデモナイことが起きたのだ。」
ともはや放棄してくれたり (笑)
とってもおもしろくてオススメ\(^o^)/
というわけで、神曲のストーリーを簡単に説明すると
筆者であり、お話の主人公でもあるダンテがウェルギリウスに案内してもらいながら
地獄・煉獄・天国 の世界を見て回る
という話です。
その中で、これから罰せられる人たちとかバケモノとか美しい女性とか神とか天使とかに出会いつつ
いろんな会話をする、という。
あと、神曲が書かれたのは1307〜1321年なんやけど
古典の名作だけに、リストだけでなく、後世のいっろーんな芸術家が神曲に関連した作品を生み出していて。
フランス人のギュスターヴ・ドレさんという画家さんが1861〜1868年に描いた有名な神曲の挿絵が
これまた雰囲気があっていい!
残念ながら、リストがダンテを作曲した方が先なので、この絵を見て作ったことはなさそうやけど
同じ時代を生きていた二人なので
きっとリストが想像してた神曲の世界観もこんなんやったやろうと!
同じダンテの神曲から
絵を生んだのがドレで
音楽を生んだのがリスト。
まさにピアノが描く幻想的絵画✨
地獄から天国へ、壮大な物語をお聴きいただきたいと思います!
他にも
シューマンの歌曲を後にリストがピアノソロ版に編曲した 献呈
私が大好きな作曲家 エルンスト・フォン・ドホナーニを紹介すべく
4つの狂詩曲 op.11
も演奏いたします(*^_^*)
たくさんのお客様にお聴きいただけるのが楽しみ♫
どなた様もどうぞお気をつけてお越しください!
皆様にお会いできるのを心待ちにしております。