ベートーヴェン物語 第三話 曲目解説①
隔月16日に更新している、ベートーヴェン物語。
10月は第三話をアップしました!
今回のテーマは『不滅の恋人への手紙』。
ベートーヴェンが遺した、情愛ほとばしるラブレターを元に
ベートーヴェン周辺の女性たちとのエピソードを書きました。
ただ、「手紙を送った相手は誰なのか?」というところに踏み込んでしまうと無責任な発言はできません(;ω;)ってかわかりません(;ω;)
あくまでもベートーヴェンの恋バナというか、ベートーヴェンにはそんな一面もあるのかー!という視点でお楽しみいただければ( ^ω^ )
そしてそして、今回の曲目も大変濃ゆいです。
まさに「傑作の森」時代のお話なので、何を弾いても素晴らしい……。
1.アンダンテファボリ WoO.57
でた!「これは一体なんですか?曲」。
私もピアニストが実際に演奏会で弾いてる現場には出くわしたことない。が、すごく好きなので、今や!といわんばかりに弾いてみました。
もはやベートーヴェン物語は、すごく好きだけどあんまり弾けない曲を弾く場と化しています。
タイトル、アンダンテファボリは「お気に入りのアンダンテ」といった感じ。ベートーヴェン自身がお気に入りでよく弾いていたそう。
「さりげない小品のわりには、なんかやたらグッとくるパワーがある曲やなぁ…」と思っていたら
なんと!!!
もともとソナタ21番『ワルトシュタイン』の二楽章として書かれたものの却下になった曲らしい!!!!!
却下になった理由は「長すぎるから」(笑)
たしかに、ワルトシュタインの二楽章としてこれ入ってたとしたら、確実に寝る←
妙に凝りすぎてるしバランス悪かったかもな。
変えて良かった←
ほんでこの時代のピアノ作品ではワルトシュタインは外せないよなーーー
……という皆さんの期待を裏切って(?)の
このアンダンテ(^ ^)ツウウケ狙ってます!!
ベートーヴェンの中では家庭的・身内的な雰囲気漂う、すこぶる美しい作品。
リサイタルで前プロにいつか絶対いれてみたい!
2.ピアノソナタ第14番『月光』第二楽章
ジュリエッタの話してるのに、BGMが13番でも月光でもないというのはさすがに違和感しかなかったので
当初に掲げた「BGMはストーリーに沿った時代に書かれた作品を弾く」という自分ルールをあっけなく破りました←
ので、今回弾いたもののなかで、月光だけがちょっと古いです。
ちなみに研究の結果、ジュリエッタが不滅の恋人である可能性はほとんど無いらしい…。
脚本の中にもある、ジュリエッタに贈られた2つの幻想的ソナタが、ソナタ13番と14番の月光。
ソナタにファンタジーとつけちゃうなんて絶対これまでになかったことなので、ベートーヴェンの気合いを感じる。
というか、このへん……12番・13番・14番あたり、激アツじゃないですか?
明らかにそれ以前のピアノソナタと様子が違うよね!
で、月光なんですが
私「なんかしらんけど妙にめっちゃ好きな曲」として、この月光二楽章が挙がる(笑)
特に思い出もなければ人前で弾いたこともないけど、すごく好きです。二楽章だけ。
のちにリストがこの二楽章のことを
「2つの深淵の間に咲く一輪の花」
と呼んだらしいんやけど
まさにピッタリではないでしょーか(o^^o)
このソナタ、全楽章を通してひとつの緊張感が持続している性格なので
一楽章と三楽章の間のこの可憐な二楽章がフッと肩の力を抜かせてくれて
すごい効果的やな〜と思います🌼
皆さん是非全楽章通して聴いてみてください。
3.ピアノソナタ第24番『テレーゼ』
ブルンスヴィック家の話をしてるバックで何を弾こう〜?と思った時に
やはりテレーゼしかないだろう、と。
今回お話の中では、ベートーヴェンとヨゼフィーネの恋愛模様をとりあげましたが
実はベートーヴェン、姉のテレーゼとも恋愛していました。
そしてそのテレーゼのために書かれたのがこのソナタ。
旋律がしっかりあって歌心溢れる中にも、聡明な雰囲気が残っているところが
テレーゼという女性像をくっきり浮かび上がらせてるなぁと思います。
月光は嬰ハ短調、テレーゼは嬰ヘ長調という、どちらもかなり特殊な調性を使っているのも注目。
ベートーヴェンにとって、シャープ系は女性的やったのかしら…?
ベートーヴェン物語 第三話 曲目解説②
4.ピアノソナタ第23番『熱情』
間違いなく、中期のピアノ曲の最高傑作、熱情。
曲の持つエネルギー、スケール、技術の難易度、全てにおいて
ピアノソナタという枠からはみ出している、大変ドラマチックな作品です。
『悲愴・月光・熱情』 で、ベートーヴェン3大ピアノソナタと称されるので
少なくともタイトルは有名ですね。
交響曲『運命』と同時期に作曲されていたことからか、『熱情』の一楽章にもあの有名な運命の動機「タタタ・タン」が使われている(・∀・)
ベートーヴェンがヨゼフィーネへ送った手紙の内容がすごく熱(苦し)くて。
「愛するJ、あなたは私の全ての感性を虜にしています。」などと書いている。
そんな炎のような思いの丈がこのソナタにも込められているなぁ、と。
曲調がどんなに静かになっても、激しい感情は滞ることなく渦巻き続けている、精神的にすごく熱い作品です。
が!精神的な難易度以前に、物理的に弾くのが難しすぎてびびった😭
ワルトシュタインもそうやけど、このあたりテクニック的にめっちゃ難しくなる。
それは時代によるピアノの発展によって、楽器そのものが大きい音が鳴るようになったり、鍵盤の数が増えたりしたことと大いに関係があり
作曲家の求める理想の音楽もどんどん複雑になっていってピアニストへの要求も大きくなっていったからなんだろうなぁ、と。
音楽的表現のことはもちろんのこと、テクニック・メカニックの腕を落とさない地道な練習もちゃんとしよ、と思い知らされた、初・熱情でございました。(爆)
5.ピアノ協奏曲第5番『皇帝』
こちらも皆さまご存知皇帝\(^o^)/今回は二楽章をとりあげました。
「皇帝」といえばこの時期は「ナポレオン」ですが、この時のウィーンはフランス軍から攻め込まれていて、ベートーヴェンの立場からするとナポレオンは敵…。
なので、決してベートーヴェンがナポレオンを称えて書いた曲ではありません。
出版したクラマー(この人も作曲家!有名なエチュードがあるよ!)が堂々とした曲の雰囲気からつけたものだと思われます。
皇帝といえばなんと言っても一楽章出だしが超有名ですが
今回は大好きな二楽章を弾きました♫(というかちょうどいい一人で弾けるとこがあんまなかった 笑)
音域の広い鍵盤の使い方に注耳👂
ベートーヴェンが、どんどん改良されるピアノをいかに効果的に使ってやろうか、という思いで作曲しているのがよくわかる。
ペダルも踏みっぱなしの指示が。持続するベース音の上に、星屑のような高音が混ざり合う響きは、本当に感動的……✨画期的すぎて、当時は全然流行らなかったそうですが……。
あ〜!私、5曲あるベートーヴェンのピアコンの中ではまさかの皇帝が一番好きなので(だいたいのクラシック好きな人は、4番と言う。5番は多分名曲すぎてなのか、まず挙がらない)
オケと弾きたい〜。弾きたい〜〜〜!!!!
6.エリーゼのために
実は「テレーゼさん」である、
というトリビア?は結構有名ですよね。
ベートーヴェンの字が汚かったので、出版社がエリーゼと読み間違えた、というやつです。
ピアニストのコラムなのでもう一歩踏み込むと
このテレーゼさんは、さきほどから登場している、ピアノソナタ24番のヨゼフィーネの姉のテレーゼさん、、、ではなく
また別のテレーゼさんのことなのです!ややこしい!!!
ベートーヴェンはヨゼフィーネの姉のテレーゼさんと破局した直後に、このエリーゼのテレーゼさんに惚れて、エリーゼのためにを書きました。
誰でもええんかい!!!
そしてさらに踏み込むと………
このエリーゼのテレーゼさんの叔父さんはマルファッティというお医者さんだったのですが
後に、20歳のショパンがウィーンにやってきた時、演奏の場を提供して若きピアニストを応援したり
さらにはポーランド人であることが理由で外国移動が難しいショパンのため、ウィーンからパリ行きの許可をおろさせるために手を尽くしたそうです。
えーーーいきなりショパンーーー!!!
すげぇーーー歴史すげぇーーー!!!!
話がずいぶんと逸れてしまったけど、この曲の話をしよう。
ベートーヴェンの曲って、音が縦に積み上げられている印象なんですが
エリーゼのためには、右手も左手も、両方ともうつろうような線で書かれているのが、あんまりベートーヴェン「らしくない」作品やなぁ、と思いながら弾いていました。
部屋でそこにいる人と紅茶でも飲みながらお話していて、その合間にサッと書き上げた……そんな雰囲気を感じます。
イ短調ってめっちゃメランコリックで
落ち着かない・行き着く先がない・常にゆらゆら揺れているというイメージがあるんだけど
(シューベルトのアルペジョーネとか、シューマンのピアコンとか!)
エリーゼのためにもまさにそうで!!!!!
全然安定しないそわそわした気持ちがずっとある。
冒頭の指示も「Poco moto 」=ちょっと動いて。なんじゃそれ。見たことない。
決して活発に動くわけではなく、「動かされてる」みたいな揺らぎ方なのかな。
なんという絶妙な言葉の使い方……ッ!!!
と、言葉フェチの私は大変感動しました。
いわゆる「有名曲」多めでお送りした第三話!いかがでしたか?
こうしてみると、ベートーヴェンの作風はほんとにバリエーションが豊かよな……
でもどこかに確固とした「ベートーヴェンらしさ」があるのがすごい。
次回、第四話は最終回です。さて一体何を弾こうかな?どこをとってもだいぶ渋い。
脚本書くのも気合いが入ります。
頑張ります!!!
ヨンパッパ
京都シンフォニカ定期演奏会にて、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番イ長調K.488
弾かせていただきました♫
お世話になった皆様、こんな状況にも関わらず聴きに来てくださったお客様、本当にありがとうございました。
今回は、いつも応援してくださるお客さまはもちろんのこと(ありがとうございます!)
ちょっとイレギュラーな方もたくさん聴きに来てくださいました。
高校の時の友達や、ずっとSNS上でのやりとりはしていたもののこの度初めて聴きに来ていただけた方、
一度合唱団の打ち上げに潜入(笑)した時にご一緒した方、バーのマスター、そこのバーでたまたま知り合ったおじちゃん方、5?6年前に楽器の合宿でご一緒した方…などなど!!
後からご連絡をいただいて「えー!来てくれてたの!?」となる方がたくさんいて
感染防止対策のため直接お会いすることが叶わなかったのがさみしかったです(T-T)
早く前の世界に戻って欲しいなぁ…
何度も言うけど、このコンチェルトもほんとに、ほんっっっっとに、大好きな曲🥺❤️
高校生の時、唯一知っている「ぴあのこんちぇると」がこの23番で
当時業界の方に出会うと、手当たり次第に「私にモーツァルト23番をどうにかして弾かせてくださ〜い❤️」と、出演交渉(!?)しておりました。
どうにかって何やねん!!恐るべしJKパワー!!!!!
さすがにその営業活動は、今回のお仕事とは一切の関係はありませんが(笑)
それにしても、茂木さんとの降って沸いたような共演、さらに降って沸いたような23番。
向こう見ずなJKパワーはもう持ち合わせてないので、最近はすっかり
「こんなに素晴らしい曲を私が弾くことによってぶち壊すのが怖い!!もうずっと聴いてるだけでいい!!!」という、触れてはいけない神のような存在にまで昇格していた曲を、いきなり弾かされることになってしまったミラクル。(前向きなんだか後ろ向きなんだかわからねえ)
絶対にいい演奏にしたくて、時間は少なかったけど出来るだけ丁寧に練習を重ねました。
この曲、すごくキレイで心から幸せなんやけど、その幸せは【永遠には続かないとわかっている幸せ】みたいな儚さ・非現実的感を残したくて
その雰囲気をどうやったら作れるのか悩む日々。
私は演奏する時に感情的なことやストーリーを考えないんやけど
今回に限っては何故か「聴いてる人にこういう(言語化できないけど)気持ちになってもらいたい」というアプローチが大きかったのが自分にとってもすごく新鮮だった。
そして、モーツァルトをどこまでロマンチックに振るか?の絶妙なバランスにもこだわり抜いた😭
これはもう指揮者やオケ関係なく、全てはピアノに委ねられるし😭
あまりにまっすぐ弾くのもこの曲らしくないけど、ロマンチックすぎるとすさまじくセンスが悪くなる……そのいい塩梅を最後の最後まで探究しまくりました😭
そんなんで家では修行僧か哲学者のように作品と対峙していたけど
オケとのリハーサルは毎回楽しくて仕方がなかったです!
ピアニスト1人では多分一生わからないような、現場でしか知り得ない事がたくさん学べ、その場その場でどんどん曲への理解が深まり、自分の経験値が高まるのがひしひしとわかる感覚。本当に大好き。
どうやらエキサイトしていたらしく、後から茂木さんやオケの方から「あんなに言いたいことを言うソリストはあんまりいません」と言われる始末(爆)すみません(爆)そこまで言ってるつもりもなかった(爆)
でもそれは、みなさんの「いい演奏にしたい」という私と同じ気持ちが伝わってきたからこそ、遠慮せずにいろんなリクエストをお願いできたのでした♡
もしも「早く練習終わりたい」のオーラが蔓延していたらさすがに何も言えないわよ!
リハを重ねるごとにどんどんアンサンブルの精度が上がるのも楽しかったです♡
と、こんな風にみんなで一緒に全身全霊で取り組んだコンチェルトだったので
今オケの皆さん(特に木管)はありがたいことに、ピアコンロスだそうです。笑
私も珍しく(?)、もっと弾いてたかったなぁ〜という気持ちが大きい……。
でも、それがこの曲なんやろうなぁ。
終わりがあるからこそ美しい世界。
あの時だけ夢の中にいたんだな、っていう作品。
一瞬で過ぎ去ってしまった儚くて切ない時間を
皆さんと共有できて幸せです💗
あーでもまたやりたい!!!あの刹那的な瞬間のために、ハートも音色もアンサンブルも
いっぱいいろんなことを考えたい!!!!
「どうにかして弾かせてくださ〜い❤️」
おまけ
このコンチェルト、作品番号がK.488から
ギョーカイヨーゴで「ヨンパッパ」と呼ばれるらしい。初めて知った……。
ヨンパッパ!?語感が楽しい!!使いてぇーーー言いてぇーーーーーー!!!
と一瞬思ったものの
曲調が「ヨンパッパ」じゃなさすぎて、というかそれこそ、ヨンパッパ☆パッパラパー☆な演奏にしないよう努めていたので
多分これから先もあんまり使えません……。
ブラームスを究めた???
あれは大学一回生の時………二台ピアノのレッスンでお世話になっていた先生の演奏会にて、生まれて初めてブラームスのピアノトリオ1番を聴き、
なんて素晴らしい曲なのだ……😭✨✨✨✨
と衝撃を受けた私は翌日図書館でいろんなCDを借りて聴き漁ったものでした。
ちなみにその日、ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」も初めて聴いて、涙が出るぐらい感動。
ブラームスといえば、ハンガリー舞曲とかの土着的な印象が強くて、それまではロマンチックな面を知らなかった(ほんまに音大生か?)こともあり
ブラームスって……めちゃくちゃキレイ……………
とイメージ一新。
つまり、私の今のブラームス愛はこんなふうに「室内楽作品」から形成されたと言っても過言ではありません。
その後もずっとプライベートの時間でさえ「ブラームスピアノトリオ聴こーっと」ってかけるぐらい、随分前から大好きな曲なのに、弾けるチャンスには恵まれず。
なので、今回の仕事でプログラムをもらい、満を辞して弾けるとなった時は「ついにきた!!!!」と小躍り🎶
ホルントリオは、ウィーンでかなりしっかり勉強したレパートリーだったし
こんな重たいプログラムを弾くことはおそらく人生でもう二度とないぞ、と気合い入りまくりの演奏会だった!!!
でも、勉強すればするほどゴールが遠のく?のがブラームス。
楽譜の読み方ひとつとっても、無数の解釈ができるし
さらにソロじゃないから奏者それぞれ解釈が違い
尋常じゃないエネルギーを使って頭と耳を駆使しました。
でもそれこそ室内楽の醍醐味!
まさに「音楽してる!!!」といった感覚で
すっっっっごく大変だったけど毎回のリハが刺激的で勉強になる経験やった。
本番、開演前にホールの方が舞台上でご挨拶されたのですが
「久しぶりの公演、会場にお客様がいるこの光景を見られて嬉しいです」と涙まじりで話されるのを見て
あぁ…みんなこのコンサートを楽しみにしてるんや……
と、ほんとに胸が熱くなった✨
これまでは、メンバーが、自分が、いい演奏をするために練習と試行錯誤をこれでもかと重ねてきたけど
あとは、お客さんの心や、このホール全体に流れる空気にのせなくちゃ🎶
みんなの力で素敵な瞬間にしよう🎶
と、いい意味で何かがフッと緩み
その結果、本番だからこそ初めて起きた「神秘的な瞬間」がたくさんある演奏ができたと思います😊
でもまだまだ究められるな。全然究め足りてません。
これから他の作品に触れたり、経験を重ねたり、考え方や性格や年齢や環境が変わったりした上で、再度究めてみたい。
ブラームスの奥深さをとことん突き詰めて、奇跡に何度でも気付いてみたいと思っています。
大阪クラシック2020動画配信中!
いろんな方とご一緒して楽しい芸術の秋を満喫しております♫
先日より、大阪クラシック2020の演奏が
YouTubeチャンネルに上がってまーす\(^o^)/
配信No.20
モーツァルト作曲
ピアノ三重奏曲 ケーゲルシュタット K.498
シューマン作曲
おとぎ話 Op.132
クラリネット:金井 信之
ヴィオラ:井野邉 大輔
ピアノ:原 由莉子
配信No.21
ライネッケ作曲
オーボエ、ホルンとピアノのための三重奏曲 Op.188
オーボエ:大森 悠
ホルン:高橋将純
ピアノ:原 由莉子
ステキな大阪市中央公会堂で収録でした✨
連続二本撮りでへろへろ……にも関わらず
衣装チェンジ(アクセサリー含)する原のこだわりにもご注目ください☝️(?)
でも着替えたことでリセットできて
結果集中力が持ったよ!!
ベテランプロオケ奏者の皆さんにいっぱい助けていただきながら
宴会もしまくり←
いろんな面で本当にお世話になりました!!
楽しかった〜❤️
またご縁がありますように❤️
次の演奏会はこちらです💁♀️
モーツァルトのピアノ協奏曲第23番K.488を弾きます。
整理券は長岡京記念文化会館でお取り扱いがあるそうですので、ホールの方へお問い合わせください。
楽しみです♫
ここんところ演奏会以外にした音楽活動
⭐️初めてのコンクール審査員
某コンクールの審査をしました😄
小学校中学年〜一般部門まで合わせて20名ほどのピアニストさん達が、それぞれ今日の舞台のために必死で準備してきたんだなぁと思うと、聴く方もバンバン気合がはいる!!💪
私自身、今までに数えきれないぐらいコンクールを受けてきて、演奏に点数を付けられ続けてきたわけですが
初めて自分が点数を付ける側になってみて見えたことがたくさん……。すごく勉強になりました。
内容が内容だけに詳しくは書けないけど、ひとつだけ。
【すごく好きでいいと思った演奏】と【バリバリの上手い演奏】を比較しないといけないというのは
審査員にとっても非常に難しい。
自分でつけた点を最終的に振り返って「コンクールの結果っていろんな要素がその時たまたま連鎖して生まれるものなんやなぁ」って思った。
だから、今まで幾度となく聞かされてきた「今日の結果に左右されず、皆さんそれぞれいいところがあるから今後も頑張ってください」という審査員の講評の定型文みたいなお言葉←は
きっと先生方の心からの声やったんやと思います。
少なくともこの日、私は心からそう思ったよ。
でもなによりも純粋に、久しぶりにホールでピアノを聴けたことが、すごく嬉しかった一日やった✨
出張先での美味しいお造りランチ❤️
これにまだ天ぷらも来たのよ❤️
仕事じゃなければ昼から呑んでたな😂
⭐️現代曲の収録
第2回伊勢志摩国際ピアノコンクールの新曲課題である、小林純生さん作曲の"Unreal Rain "を演奏しました。
現代曲を演奏する機会はあんまりないので譜読みから手探り状態、というかどうやって探ればいいのかすらわからん状態でしたが😂
小林さんのイメージする世界観に音で近づけるよう試行錯誤しました。
難しかったけど取り組んで良かった!!
YouTubeで視聴できます〜💁♀️
【【https://youtu.be/cNwlp8yC5yU】】
ちなみに会場は、クラシック専用ホールである京都のバロックザール✨
ピアノを含め無料でホール提供してくださるという信じられないキャンペーンで(募集は終了しています)お借りしました。
弾いたのは初めてやったけど、客席から見るよりも実際にピアノの前に座ると舞台が広く感じた✨
そして高い天井に音がのびのびと抜けていくのがなんとも気持ちよかった🥺
ここでもコンサートしてみたいなぁ………!
⭐️チャイコのアホ動画がプチバズる
各方面からお叱りを受けそうな動画を作りました。
— 原 由莉子 🎹 Yuriko HARA (@yuriko_hara_pf) 2020年8月4日
▼https://t.co/MqOREYtUhx pic.twitter.com/9nracrEPJh
もう弾き終わってから2週間以上経った今頃になって←
本番前に遊びで作ったチャイコのピアコンのアホな動画が
バズった…とは口が裂けても言えない数ですが
「ちょっといっぱい♡」拡散されました。笑
めっちゃくちゃ嬉しい〜皆さんありがとうございます〜\(^o^)/
ピアノ弾く人よりも、聴く専門の方からの反応が大きかった!
「次に聴く時ホールで笑いをこらえるのに必死です!」
とか
「この後関連動画で藤田真央くんのチャイコが流れそのまま聴いていたら、問題箇所で思い出して爆笑」などと言われてしまった。
クラシックファンの方々の脳内を占拠してしま
うだけでなく、まさかの藤田真央くんまでをも巻き込んでしまうことになるとは……
この罪はなかなか大きい………
さっきのUnreal Rain からのテンションの差が激しいですが、よろしければ1分ほどお付き合いください。笑
【【https://youtu.be/CjMP-Yf1oXg】】
こんな感じで、生のコンサートは少ない中でも
いろんな形でお仕事の幅が広がってきてます\(^o^)/
8月の誕生日にアルゲリッチの映画を観て考えた、緊張との付き合い方について
誕生日の記念に心に何かを残したいなと思って
今更!?というタイミングですが、マルタ・アルゲリッチのドキュメンタリー映画「私こそ、音楽!」をようやっと観ました\(^o^)/
具合(機嫌?)によって度々演奏会をキャンセルしたり、3人の元旦那や彼氏のことがスキャンダル沙汰になったり、自由奔放で困ったさんなイメージも少なくない彼女。
でもこの映画では、インタビュアーが娘のステファニーということもあってか
包容力のあるあたたかいお母さんの一面がたくさんあって新鮮やった☺️
でも、やっぱり印象に残ったシーンは
リハーサル中や、本番直前を撮ったもの。
リハで「わからない。自分でもどう弾きたいのかわからない。これではない。でもわからない………」と言って指揮者を困らせたり
本番(しかも日本公演w)前の楽屋からイライラしっぱなし、「いつ出るの?もう行くの!?」とプリプリしながら袖へ移動し
「最悪の気分よ、熱があるわ、弾きたくない、弾けないわ。」と言いながら舞台へ出て行く姿……………
あぁ、、、わかる、、、、その気持ちわかるよ、、、、(´⊙ω⊙`)
マルタ様に「わかるよ」なんておこがましいにもほどがあるけど、演奏家みんな「なんでこんなしんどい思いして演奏せなあかんねん」と思うことが必ず一度はあるんじゃなかろうか……
でも、演奏を仕事にしてる人はそんな姿を周りやお客さんには見せてはいけないし
そもそも自分のみっともない状態を露骨に表すことって、普通の大人だったら恥ずかしいから躊躇してしまう。
それを全部さらけだして見せてくれるアルゲリッチのピュアなことよ…🥺
そんなことができる人だからこそ、私達の心を直に触ってくるような演奏ができて
昔も今も世界的ピアニストとして生き続けていられるんやなぁと思いました。
それで思い出したのは、去年Twitterにピアニスト小林愛美ちゃんがアップしていた
本番直前の舞台袖での姿を撮影した動画。
チョコ食べる→栄養ドリンク飲む→楽譜見る→マネージャーさん?に手を繋いでもらって瞑想→背中を叩いてもらう→手を繋いでもらう(2回目)
………というなが〜い一連の流れを経て、やっっと舞台へ上がる
という動画だったのだけど
それを見た時の絶賛モラトリアム期だった私(注:2019年は人生最大に心が不調でした)は
それはそれはもうこの上ない衝撃を受けたわけです。
こんなすごい人でも、こんなに緊張と闘ってピアノ弾いてるんや!( ゚д゚)!!!
その時期、自分が緊張のせいで思うような演奏ができないことと、そもそも緊張なんかする時点で私ピアニストに向いてないんじゃないか?と本当に悩んでいたので
客席からは想像もつかない愛美ちゃんの姿にとても驚いたものです。
ちなみに、失礼ながら↑↑みたいなコメントをつけてリツイートさせてもらうと
とご本人からお返事をいただけたのはとてもいい思い出( ;∀;)❤️
演奏前のメンタル面のコントロールはまだまだ課題。
というか究極を言えばこれから先、一生これが全てな気がする。
年齢一桁やティーンの頃は、緊張したとしてもあんまり演奏に傷はつかないタイプでした。
弾き終わったあとで
「あんな速いテンポでよく最後までもったねー」とか
「家ではもっといろんな表情あったのに棒弾きやったで、もったいないー」とか親や先生に言われて
「へぇ、緊張してたのか。」と気づく感じで
手震えて弾けないとか、暗譜とんで左手なくなる、とかそういうはっきりわかる緊張はあんまりなかった。
でも本番前の時期は常にニキビが酷かったし、慢性的に便秘やったし、前日や当日に我慢できない胃痛で病院に運ばれることも何回もあった。
体はしっかり緊張や疲れのストレスを訴えていたんやけど
それがピアノへのストレスってことにもあんまり気づいてなくて
「こんな大事な時に体調崩すなんて自己管理がなってないダメな人間やなぁ!でもこのしんどい中でも指は動かさなくちゃ!この苦しみを乗り越えて、私はもっと上手になるんや!」
大事な時に体を壊すw時事ネタw
って、ふつ〜に思ってました(^ ^)
まじでなんの疑いもなく心からそう思ってました(^ ^)
・・・・書いてて、昔の自分がかわいそうになってきた。なんて勤勉な日本人気質(泣)
でもハタチ頃から【緊張による事故】が時々発生するようになり………
「本番は楽しいもの」という認識が、少しずつ「本番怖いな…」に変化してきた。
ウィーンでは、緊張してないように見える人達がうらやましくて
「緊張せずに舞台で弾くコンディションに持っていくこと」を心掛けて
たまに上手くいく時もあったけど、特に帰国が見えてきた留学生活最後の方は、邪念や気負いがありすぎて自滅ばかり……………
どんなに練習で弾けていても、本番崩れるんじゃ仕事にならない!そんなのピアニストじゃない!
と病みに病みまくり、帰国前はいろんな人にうじうじくよくよ話を聞いてもらいまくる日々。
こんな精神状態で学生を終えて日本で活動を始めるなんて……と、すごく辛かったです。
(相談に乗ってくれた皆さん、その節はありがとうございました………)
でも日本に帰ってきて、いろんな奏者の方とご一緒したり本番前の過ごし方を見ていて、ある時ふと気付いた……
「あれ?この人もしかして今緊張してる?」
「あれ?なんでこの人今こんな機嫌悪いん?」
日常生活が演奏活動であるような方々でも、本番前は極端に口数が減ったり、念入りに深呼吸したりストレッチしたりしている………!!!!!
さらにさらに音楽家だけじゃなくて
例えば嵐の松本潤様は、ライブ前「ルーティンの鬼」と化すらしい。
天皇陛下の前で歌う前の相葉さんは「めちゃくちゃ緊張してた(by.潤)」らしい。
芸人さんとかも、楽屋ではすんごいナイーブらしい。。。
知らんかった!!!!!!!!!
表舞台に立つことが仕事な人は、
緊張なんかしないから表舞台に立てるのや
と思っていました。
みんな緊張して当たり前なんやわ。。。
自分が昔そこまで緊張したことなかったから知らなかったけど
緊張するようになった今になって初めて見えたことでした。
じゃあ!
私も緊張していいんや!!!!
緊張しないように努める、ってことは体や心を不自然にねじ曲げたこと。
緊張してる自分を認めてあげて、その上でパフォーマンスをする方が
よっぽど自然なことやったんですね。
小さい時、コンクールやコンサートの舞台袖で泣いていたり、震えながらお母さんに手を握ってもらってる子のことを
「そんなことになるなら今すぐピアノやめたらいーのに」と冷ややかな目で見てたけど(性格悪!)
そういう子達はきっと心が少し大人やったんやね。
そしてそのことに今頃気付く、私の精神の未熟なことよ。。。( ;∀;)悲しいわ。。。。
でも逆に言えば、こうやって精神面の変化と向き合えるのは、音楽をやっているおかげやなぁとも思う。
いや、精神だけじゃなく身体的にも!
最近、数時間弾いた後には冷やしたりストレッチしないとすぐに腕がパンパンになったり
リンパが流れてないのが自分でもわかったり
こないだは腰を痛めてまともに歩けなくなったり←
ケアしないと危険が伴う身体になってきたし、今後はより一層悪化の一途を辿るのが当たり前な老化問題とはきちんと向き合っていかないといけない。泣
ピアノを弾くことで、繊細な自分の変化に気付くことができ
さらにその毎日生まれ変わるような新しい自分と丁寧に対話することができる。
なんだか人生の密度がすごく濃厚になる気がする…!
アルゲリッチも映画の中で
「『年をとったせいで演奏が変わった』と言われるのが怖い。」
と言ってた。
けどね、それに対して娘さんは
「ママは舞台に立てば立つほど若返る。」
と。
なんて…なんてステキなことなんでしょうか。
私もそんな風にピアノを通して、いい自分も悪い自分も見つめながら
年を重ねていきたいなと考えた、誕生日2020でありました☺️
おまけ
私のアルゲリッチにまつわる思い出といえばコレである。